この記事では、
グルテン過敏症の症状
原因とメカニズム
セルフチェック方法
診断・治療法
を分かりやすく解説していきたいと思います。
「グルテン過敏症」とは?
グルテン過敏症(非セリアックグルテン過敏症)とは、小麦・大麦・ライ麦などに含まれるたんぱく質「グルテン」に体が過敏に反応して、様々な体調不良を引き起こす状態を指します。
パン・パスタ・うどん・ケーキ・クッキー・カップラーメンなど、多くの加工食品にグルテンは含まれています。
※大麦:小麦に含まれるグルテン(グリアジンとグルテニン)とは構造が異なり、大麦の場合は主に「ホルデイン」と「グルテリン」というたんぱく質になります。
そのため、水を加えてこねても小麦のような粘りや弾力のあるグルテンは生成されない(小麦と同じグルテンは存在しません)が、たんぱく質としての「グルテン様成分」は存在します。
小麦のグルテンとは性質がやや異なりますが、小麦アレルギーの人は大麦の摂取にも注意が必要と言えます
※ライ麦:小麦に比べるとグルテンの量はかなり少なく、ライ麦粉100gあたり約3g前後と小麦の約1/3程度です。
また、ライ麦のグルテンは小麦のように弾力や粘りを出す性質が弱く、主に「セカリン」というグリアジンに似た成分が含まれており、「グルテニン」はほとんど含まれていません。
そのため、ライ麦パンはふっくら膨らまずずっしりとした食感になります。
ですが、グルテンフリーではないので小麦アレルギーやセリアック病の方はライ麦の摂取も避ける必要があります。
セリアック病や小麦アレルギーとの違い
- セリアック病:自己免疫疾患(医療機関で診断可能)
- 小麦アレルギー:即時型アレルギー反応
- グルテン過敏症:自己免疫疾患でもアレルギーでもないが、慢性的に不調をきたす
グルテン過敏症の主な症状一覧【セルフチェック】
消化器症状
- 腹部の張り(腹部膨満感)
- 下痢・便秘の繰り返し
- ガスが溜まる
- 腹痛
皮膚症状
- 背中や二の腕のブツブツ
- 慢性的な湿疹・肌荒れ・かゆみ
疲労感・倦怠感
- 慢性疲労
- だるさ・集中力低下
- 頭がもやもやする(ブレインフォグ)
頭痛・片頭痛
関節痛・筋肉痛
精神症状
- 気分のムラ
- イライラ・不安・うつ症状
ホルモンバランスの乱れ
- 生理不順
- PMS
- 不妊症
その他の症状
- 貧血
- 体重減少
- 免疫力の低下
- 自己免疫疾患(橋本病、リウマチなど)

私は消火器症状のフルコンボでした。。。
膨満感、便秘、ガスがたまる、腹痛…
他にも偏頭痛やPMSもひどかったです。
なぜグルテン過敏症は気づきにくいのか?
- 食後すぐではなく、数時間〜翌日以降に症状が出る
- 慢性的なため「年齢」「ストレス」「体質」と誤解しやすい
- 医療機関でも原因不明とされやすい
グルテン過敏症は主にグルテン(グリアジンなど)に対する過敏反応といわれていますが、免疫系が関与しないことが多く、明確な診断方法や検査は確立されていません。
セリアック病や小麦アレルギーと違って医療機関でも判断が難しいので、グルテン除去による症状改善が診断の手掛かりとなります。
小麦アレルギー:小麦に含まれる複数のタンパク質(グリアジン、グルテニン、アルブミン、グロブリンなど)に対する免疫反応。血液検査や皮膚テストで診断が可能。
セリアック病:グルテン摂取により自己免疫反応が起こり、小腸粘膜が損傷する病気。
血液検査や内視鏡検査で診断できます。
セルフチェックのすすめ【食事日記の活用法】
グルテン過敏症を疑ったら、まずは食事と体調の記録を始めてみるのがおすすめです。
記録するポイント:
- 食べた食品(特に小麦・パン・麺類・お菓子など)
- 摂取した時間
- その後の体調変化(数時間後〜翌日)
大まかでも構わないので、食事を記録しておくと専門医へ相談する時にも非常に役立ちます。
診断と治療法
① 専門医の診察
消化器内科、アレルギー科、内科などを受診し、必要な検査を受けますが、
現時点でグルテン過敏症を直接診断する検査法は確立されておらず、「除外診断」が中心です。
② グルテン除去食(グルテンフリー)
- 小麦・大麦・ライ麦などを除去
- 経過を観察し、症状が改善するか確認
- 栄養バランスに注意しながら続ける
まとめ|こんな人はグルテン過敏症を疑おう
- 消化器症状・肌トラブル・慢性疲労が続く
- 原因不明の片頭痛や関節痛がある
- イライラや気分のムラがある
- 生理不順・PMSが気になる
グルテン過敏症は即時型のアレルギー反応がなく、慢性的な不調が特徴です。
慢性的なため「体質」や「加齢」「ストレス」と思い込んでしまう人も多いのではないかと思います。
食事と体調の記録をつけることでグルテン摂取と症状の関係性に気づきやすくなりますし、
何かしらの不調で悩んでいる人は一度グルテン過敏症を意識して、食事を変えてみてはいかがでしょうか。